次世代AMLツール:リスクベース・アプローチを実現する分析手法

金融機関のマネー・ロンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CFT)に関し、従来からおこなわれてきた「ルールベース・アプローチ」では、見逃しやフォルス・ポジティブが多いことから、当局からは、「リスクベース・アプローチ」を取り入れることが求められています。アイテ・グループでは、最新の分析手法を解説するとともに、英スタンダード・チャータード銀行での導入事例を紹介したレポートを発刊しました。
アイテ・グループ・レポート:Contextual Decision Intelligence: Raising the Bar of AML Detection and Investigation
 

■ 巨額な罰金が経営リスクに
各国の金融規制当局は、金融機関に対してマネー・ロンダリングに関連した規制違反に神経を尖らしており、2010年度、マネロン対策の不備で摘発された金融機関は、グローバル・トップ50行のうち12行にのぼり、科された罰金の総額は360億ドルに達している(金額が最も大きかったのは、フランス当局から摘発されたUBSの51億ドル)。このため、金融機関にとってマネー・ロンダリング関連の法令準拠/対策強化は、経営の視点からも重要な課題となっている。

マネー・ロンダリングの監視/摘発方策として、これまで用いられてきたルールベース・アプローチでは見逃しやフォルス・ポジティブが多いことから、当局は、様々なデータをAI等を活用して分析する「リスクベース・アプローチ」への移行を求めており、具体的な製品/サービスも登場しはじめた。
 

■ リスクベース・アプローチの手法
ここでは、リスクベース・アプローチを実現するためのいくつかの手法(現実にはこれらの組み合わせとなる)を簡単にご紹介したい。

・エンティティ・リゾリューション
KYC/CDD(カスタマー・デューデリジェンス)にあたり、従来から用いられてきた定性的な「顧客情報」に加え、該当客先に対する社内外の様々な最新情報やアンストラクチャー・データを加えて分析し、精度の高い意思決定を行う仕組み。

・ネットワーク・リンク分析
住所/電話番号/資本関係/資金のやり取り/職歴等のデータを活用して、企業間/口座間/企業経営者間の直近リレーションをリアルタイムであぶりだす仕組み。これらの関連性を画面上でチャート表示することにより、KYC/CDDや送金の可否を的確に判断できる確率が高まる。

・ダイナミック・セグメンテーション
顧客のリスク・スコアを常時監視しUpdateする仕組み。顧客の行動(資金の動きや送金依頼からみる事業の動向など)をベースに、企業規模、関連企業、ビジネス・ネットワークを加味して分析する。

これらの導入にあたっては、「既存アプローチとの並存/移行方策」「各種プライバシー関連法の準拠」「スケーリング余力の確保」「透明性の確保/説明責任」などへの配慮も重要となる。
 

■ 継続的なチューニングが必須
犯罪者の悪知恵は、常に一般人の先を行くものであり、マネー・ロンダリングの発見も、今後一層難しくなると思われる。金融機関では、自社の業務プロセスを詳細に理解した上で、より効率的なKYC/CDDや不正摘発/分析を行うために、新たなリスクや脅威を常時モニタリングし、防衛策/予防/発見方策を常に見直し強化していく必要があると思われる。

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